頭部外傷後の注意事項

頭を打ったときは、脳にいろいろな変化が起こることがあります。特に、頭の中に出血がおこると生命に危険を及ぼすことがあるため、注意が必要です。頭を打った後、元気だった人が急に意識がなくなってしまうことがあるのも、このような頭の出血(頭蓋内出血)によることがあります。

特に、最初の24時間は、下記の症状がないか注意が必要です。
①頭痛がだんだん強くなり、吐き気、嘔吐が何回も起こる。(食べ物を吐いてしまったり、何も食べていないのに吐いたりする。)
②ぼんやりしてきたり、放っておくとすぐに眠ってしまう。起こしてもなかなか起きない。
➂物が二重に見えたり、物がよく見えなくなったりする。
④手足が動かしにくくなったり、しびれたりする。特に、右と左で動き(力の強さ)が異なる。
⑤けいれん(ひきつけ)が起きる。

もしも、上記のような症状が見られたときはすぐに医師の診察を受けてください。このような症状はすぐに起こることもありますが、2~3日、時に数日~数カ月経ってから起こることもあります。
頭を強く打った後は、少なくとも1~2日間は安静にし、一人で外出したりしないように注意してください。小さいお子様は相当強く頭を打った時でも症状が出にくいことが多く、また、自分で症状が言えません。たとえ元気にしていても、2~3日は目を離さないでください。

受傷から半年くらいまでの注意
頭をぶつけた後、3週間~6カ月くらい経ってから、まれに頭の中に血液が溜まることがあります(慢性硬膜下血腫)。経過中に①頭痛、②吐き気、➂脱力感、ふらつき、④失禁、⑤認知症のような症状が徐々に現れ、悪化するようなら、医師の診察が必要です。
時に手術が必要となることもあります。高齢者では頻度が高いのでご注意ください。