2018年4月30日(月・祝)、日本在宅医学会第20回記念大会のノーベルファーマ株式会社主催のランチョンセミナーにて、院長の守上が講演させていただきました。
【演題】
在宅医療における亜鉛補充療法の有用性
「なんとなく元気がない」「昔に比べて味がわからなくなっている」、このような在宅高齢患者に対して、医療者は「もう年だからねぇ」、「何かあったら往診するので頑張ろうね」など患者の気持ちに寄り添って言葉を投げかける。
迫りくる高齢社会の波の中では、疾病による機能低下と、単なる老化による機能低下を明確に区別することがだんだんと難しくなり、ともすれば毎日の忙しい日常診療の中では年齢に責任を押し付けがちとなってしまう。
以前からNST(栄養サポートチーム)の栄養不良の一つの指標として使用されていた亜鉛について、結果としての亜鉛不足だけではなく、亜鉛欠乏自体が身体機能の低下を引き起こしている可能性がクローズアップされてきた。
2017年4月に開設し、京都市西京区(人口15万人)を中心に在宅医療を展開している当クリニックでは、在宅医療導入後の初回スクリーニング検査に亜鉛の項目を設けている。在宅医療導入前には、様々な医療機関で様々な検査を受けてきたにもかかわらず、初めて「低亜鉛血症」と診断名がつくことが多く、驚かされる。
幸い現在では、日本で使用できる亜鉛補充薬がある。その自験例、京都市西京区での在宅医療の現状を含めて、報告を行う。