救急救命九州研修所講義

2019年3月4日(月)に救急救命九州研修所にて、院長の守上が講義を担当させていただきました。

【テーマ】
在宅医療と救急


救急救命九州研修所は福岡県北九州市にあり、主に西日本の消防隊員が救急救命士の国家試験取得に向け、7カ月間の研修を行う教育施設です。受講されたのは、救急救命士の国家試験を目前に控えた消防隊員や救急隊員です。

消防法第15条には「救急活動は、救命を主眼とし、傷病者の観察及び必要な救急処置を施した後、速やかに医療機関に搬送することを原則とする」と記載があり、救急搬送時の救命活動が救急隊の責務と解釈できるのですが、DNAR(do not attempt resuscitation 心肺蘇生を行わない意思)を表明している傷病者の対応策は明確な定義がなく、現在検討中となっています。そのため、救急現場において、傷病者の家族等から本人の心肺蘇生の中止の意思を示される事案が生じており、一刻を争う差し迫った状況の中、救急隊が蘇生処置の中止及び救急搬送の判断に苦慮することが課題となっているそうです。

講義の中のディスカッションでは、消防隊、救急隊の皆様の救急搬送時のリアルな悩みを聞くことができました。
患者さんの意思を尊重するために、その時々で意思確認を行うことや、救急頻回コール患者を地域で見守る体制づくりの構築は我々在宅医療サイドにとっても大きなテーマです。
診療所と受け入れ先の病院、救急隊との連携方法を模索していきたいと考えます。